「緩和ケア」とは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。(WHOの緩和ケアの定義2002年 引用)
「在宅療養」とは、病をかかえた方々がご自宅で必要な医療や介護を受けることです。私たちは、在宅緩和ケアを中心とした在宅療養をチームで支援しています。
「在宅緩和ケア」とは、病と共に生じる身体の苦痛や生活における苦痛、気持ちのつらさなど、人が生活するために支障となるあらゆる苦痛を和らげ、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)をよりよいものにするためのケアです。これらのケアは病気の早い段階でも受けることができ、病をかかえた方だけでなく、そのご家族へのケアも行われます。これらのケアをご自宅で行うことが在宅緩和ケアです。
年齢区分 | 限度額適用認定証所得区分 | クリック |
---|---|---|
70歳未満 | 標準報酬月額83万円以上の方 (区分ア) | ▼ |
標準報酬月額53万~79万円の方 (区分イ) | ▼ | |
標準報酬月額28万~50万円の方 (区分ウ) | ▼ | |
標準報酬月額26万円以下の方 (区分エ) | ▼ | |
住民税非課税世帯 (区分オ) | ▼ |
■70歳未満 標準報酬月額83万円以上の方 (区分ア)
最低 \29,690 ~ 最大の目安 ¥180,000(¥140,100)
最低【医師2回/月、看護師週1回】
最大【医師週1回以上、看護師週4回以上】月30日として計算。()内は多数該当
■70歳未満 標準報酬月額53万~79万円の方 (区分イ)
最低 \29,690 ~ 最大の目安 ¥167,820(¥93,000)
最低【医師2回/月、看護師週1回】
最大【医師週1回以上、看護師週4回以上】月30日として計算。()内は多数該当
■70歳未満 標準報酬月額28万~50万円の方 (区分ウ)
最低 \29,690 ~ 最大の目安 ¥83,430(¥44,400)
最低【医師2回/月、看護師週1回】
最大【医師週1回以上、看護師週4回以上】月30日として計算。()内は多数該当
■70歳未満 標準報酬月額26万円以下の方 (区分エ)
最低 \29,690 ~ 最大 ¥57,600(¥44,400)
最低【医師2回/月、看護師週1回】
最大【医師週1回以上、看護師週4回以上】月30日として計算。()内は多数該当
在宅で病気療養する場合には、病院のように常に医療者がそばにいて介護面までカバーしてくれるわけではありません。そのため病状変化などにより介護負担が増大してくると、在宅を継続していく上で、ご家族の介護力によるところがとても大きくなります。この介護力は在宅での療養が長期間になった場合にも、重要なポイントとなってきます。
このような場合、ご本人・ご家族の希望を尊重しながら、関係者による情報提供・適切な評価のもと、必要に応じた介護保険による介護サービスの利用ができます。それによって介護者の負担を減らしご本人も快適に在宅での療養を継続することが可能になってきます。
介護保険による介護サービスを利用するためには・・・
初めに要介護認定を受ける必要があります。そして、介護認定の結果、その要介護度に応じた介護サービスを受けることが出来るようになります。この介護サービスに関わる費用はサービス内容・時間が介護保険の枠内であれば 1 割の個人負担で利用することが出来ます(介護保険は、申請日から利用することが出来ます。そのためサービスを利用したいと思ったときにすぐに申請すれば、その日からでも利用することが可能です)。
介護認定を受けるためには・・・
主治医の意見書を添えて申請し、その後に調査員が自宅に訪問して行なう訪問調査を受けることが必須です。
※認定は日常生活動作にどの程度介護の手を必要とするかを判断するため、自立度が高い方の場合は認定されないこともあります。
ベッド | モーターがついており、お好みの高さに頭・足・ベッドの高さなどを調節できる電動介護ベッドなどをレンタルすることで、快適なポジション設定が可能になり、介護者の負担軽減にも役立ちます。 |
---|---|
マット | 低反発の褥創予防マットやエアマットなどがあります。お体の状況により医療者と相談しながら適切なマットを随時選択し、利用できます。 |
訪問介護サービス (ホームヘルパー) |
お体に関するお世話をお手伝いする身体介護と、家事・清掃などの生活面に関わる生活援助があります。ただし、生活援助については利用に条件があり、介護支援専門員(ケアマネージャー)の適切なアドバイスを得ての利用となります。身体介護は、基本的にお体を清潔に保つために行われるものが中心で、自宅のお風呂を利用する入浴介助や全身清拭・更衣・シーツ交換・その他足浴や快適に療養できるようにホームヘルパーがご自宅に訪問し、支援します。 |
訪問入浴 | ベッドの隣に業者が持参してきた浴槽を組み立てて、動く事が困難な方でも、寝たまま安全に入浴させてくれるサービスです。 |
デイサービス | 外出可能な方はデイサービスなどを利用して気分転換や楽しみをつくることも出来ます。 |
ショートステイ | 介護者の気分転換や一時的な休息を目的に、介護施設を利用した宿泊(ショートステイ)をすることも出来ます。 |
現状の問題点は・・・
在宅療養する方のご家族は、24 時間目をはなせないような状況で、神経を張り詰めて見守っている場合もあります。介護保険では、計画のもとにある程度決まった支援を、継続的に行なうことが多く、実際の関わる時間でいうと、24 時間の一部しかカバーできないということになります。したがって、介護者の疲労が増大し、長時間にわたる見守り、介護を頼もうとする場合には、介護保険だけでは対応が不可能となります。こうした場合、経済的には負担が大きくなりますが、介護保険外のケアワーカー(家政婦)などを活用することもできます。
介護保険にとらわれない施策や、在宅を支援するさらなる制度の改善が必要性を感じる事も多々ありますが、医療者・介護者等多職種によるチーム支援および関係機関(行政など)との連携で、総合的に在宅療養を支援していけるよう努力しております。患者さんの状態、訪問回数や診療の内容、お住まいの地域によっても違いますので、詳しくはご相談ください。